またまた、DAPの世界に、面白い機種が出てまいりました!
マルチ DAC
それは、一つの筐体になんと2種類のDACチップを搭載すると言う、新たな試み。
一つの筐体でありながら、異なるDACを搭載し、その時・その曲でDACを使い分ける事で、より音楽を楽しませてくれる、音楽好きのみならずガジェット好きにも興味を持たせる新たな製品、それがAstell&Kern 「A&futura」の第二弾モデルとして発売される「A&futura SE200」となります。
1つの筐体に、2種類のDACチップを搭載すると言うオーディオプレーヤー史上初の製品を作り上げたAstell&Kern。
さて、この内容がどうなのか、仕様面と共に紹介してきます。
1.仕様面
さて、気になる仕様面ですが、いつもの如く、同価格帯のDAPと比較する様な形でまとめて見ました。 比較対象は、以下2機種。
- HiBy R8 ステンレスモデル
- iBasso DX220Max
仕様 | A&futura SE200 | HiBy R8 ステンレスモデル | iBasso DX220Max |
---|---|---|---|
ディスプレイ | 5inch HD (720 x 1280 ドット) | 5.5inch フルHD 1080P ISPディスプレイ | 5.0inch フルHD 1080P ISPディスプレイ(Sharp製) |
CPU | 8core CPU | Snapdragon 660 | 8core CPU |
ネットワーク | Wi-Fi | 4G + Wi-Fi | Wi-Fi |
OS | – | Android 9.0 | Mango OS + Android 8.1 デュアル |
RAM | – | 6GB | 4GB |
内部ストレージ | 256GB | 128GB | 128GB |
SDカード | 最大1TB | 最大2TB | 最大2TB |
バッテリー | 3700mAh | 10,000mAh | ・4400mAh ・900mAh × 4 (アナログ・セクション用) |
DAC | ESS ES9068AS ×2 AKM AK4499EQ ×1 | AK4497×2 | ES9028PRO SABRE DAC×2 |
PCM | 384kHz/32bit | 最大768kHz/32bit | 384kHz/32bit |
DSD | 256 | 512 | – |
ヘッドホン 出力 | アンバランス:3.5mm×2 バランス:2.5mm×2 | ステレオミニ:3.5mm バランス:4.4mm | ステレオミニ:3.5mm バランス:4.4mm |
重量 | 274g | 520g | 700g |
価格 | 239,980円(直販価格、7月17日発売予定) | 15,988人民元 (242,656円 6/2現在) | 218,900円 (予約価格、7月4日発売予定) |
2.比較した結果について
私がWeb記事などを読んで気になった点は3つ、上記の表で赤太文字にしたところになります。
2.1.ESSとAKMのDACをデュアルで搭載している
「A&futura SE200」はこれに尽きるでしょう。
オーディオプレーヤーとしては史上初の事をやり遂げて商品化した事は、素晴らしいと思います。
今までは別のメーカーのDACで音楽を聴いて見たいとなると、DACを買い直すなどする必要がありましたが、「A&futura SE200」は一台で使い分けができる様になり、より楽しく、より快適に音楽を聴く事ができる様になるのでは、と感じました。
最も気になる、DACによる音の違いをチェックしてみた。まずはどちらもアンバランスで聴いてみる。ESSのサウンドは清涼感があり、音場の空間が広く、奥まで見通せる。finalの「B1」を使っているが、ホワイトノイズが少し聞こえる。 コントラストを強調するサウンドではなく、極めて描写は自然だ。ボーカルが中央にスッと立ち上がり、背後に並ぶ楽器の主張は控えめだ。 AKMのDACに切り替えると、低域に馬力が出たような印象。音圧が強くなり、音が前へとパワフルに押し出される。それでいて、描写は細かく、弦楽器やアコースティックギターの音にしなやかさがある。空間に広がる音の余韻も、消え去る間際まで丁寧に描写する。 音にパワーがあるため、広い空間でシャープに音を描写するESSとのキャラクターの違いが面白い。AKMの方が、音の密度が高く、逆に言えば“詰め込まれた感”がある。しかし、前へ前へと出てくるボーカルや楽器の音の背後に注意を向けると、音場空間は広く描写されており、立体感はある。 いろいろな楽曲を聴いていくと、ロックやJAZZなど、熱気が欲しい音楽にはAKM、クラシックや、女性ボーカル+ピアノのようなシンプルな楽曲にはESSがマッチするような気がする。 引用元 AV Watch オーディオプレーヤー初、“ESSとAKM”2種類のDACを内蔵「A&futura SE200」
上記、AV Watchに上がっておりますレビューを読んでみますと、 高音をクリアに音楽を聴きたい場合は「ESS DAC」 低音を迫力に音楽を聴きたい場合は「AKM DAC」 と言う感じを受けます。
両方の音楽を聴かれる方にとっては、一台で使い分ける事ができる「A&futura SE200」はベストバイとなるのでは無いでしょうか。
私は、HiBy R6 Proに搭載されているESS製のDACをメインに聴いており、AKMのDACのプレーヤーは持っていないので、普段良く聴いているアーティストの音楽がDACによってどう音質が変わるか、凄く試してみたいと思いました。
2.2.ヘッドホン出力はバランス×2、アンバランス×2
ヘッドホン出力は、バランスが2つ、アンバランスが2つの構成となっております。
これは、ESS用のヘッドホン出力(バランス、アンバランス)と、AKM用のヘッドホン出力(バランス、アンバランス)とDACにより分けられている為であり、イヤホンを差し替えるだけで、それぞれのDACの音楽を楽しめる作りになっています。
これは、ユーザーにとって非常に使いやすく、手軽に音変化を楽しめる作りになっています。
またAMPも完全独立した形になっていると言う事で、互いに干渉しない設計になっている為、それぞれで高音質で音楽を聴けると言う事です。 技術者の設計・ビルド、チューニングは大変だったのではと感じました。
2.3.重量が抑えられている
DACのマルチ構成や、それぞれ独立したANPの搭載など、新たな仕組みを実現しながら、重量が275gと、他の機種と比べ抑えられております。
やはり、ハイスペックプレーヤーではあるもののポータブルプレーヤーと言うのは忘れてはいけないと思うのです。
手軽に持ち出せて、外でも自分の好きな音楽を高音質で聴く事ができるのには、重量と言うのは重要なファクターになります。
最近は、大型化・重量化されて、もうポータブルプレーヤーと言えなくなるものも出てきていますが、最新技術を搭載しつつ、過去機種より長時間使えてその上軽くと言うのは、購入者側にとって響く言葉ではと思います。
3.最後に
今回は、7月17日に発売予定のAstell&Kern「A&futura SE200」のご紹介でした。
今後は、こういったマルチDACのDAPが増えてくるのでは?と思う程「A&futura SE200」は良い完成度となっております。
Astell&Kernといったハイレゾプレーヤーのリーディングカンパニーの挑戦は、DAP全体を賑わせる力がありますよね。
今後、他社の展開が非常に楽しみです。